院長紹介
葛西 健一郎(かさい けんいちろう)
京都大学医学部卒業。
京都大学形成外科、関西医大形成外科を経て1992年開業。
日本形成外科学会形成外科専門医・レーザー分野指導医。
日本レーザー医学会評議員・レーザー専門医・指導医。
業績(2025年10月現在)
医学書出版(単著) 7冊
- 「Qスイッチルビーレーザー治療入門」 文光堂、2008発刊
- 「シミの治療 第2版」 文光堂、2015発刊 中国語訳刊
- 「ピコ秒レーザー治療入門」 文光堂、2017発刊
- 「基礎から学ぼう 医療レーザー脱毛入門」 文光堂、2021発刊
- 「炭酸ガスレーザー治療入門 第2版」 文光堂、2021発刊 中国語訳刊
- 「パルス色素レーザー治療スプリーム」 文光堂、2024発刊
- 「シミの診断 シミは診断がすべて」 文光堂、2025発刊
医学著書(分担執筆) のべ80編 (うち海外2編)
発表論文 61編(うち海外16編)
学会口演 316回(うち海外25回)
院長より受診される方へのメッセージ
<あなたの顔は「医者になおしてもらう」ものではありません>
「あそこへ行けば、きれいになおしてもらえる」「お金を払ったのだから、ちゃんとなおしてもらわないと」など、よく聞く言葉ですが、ちょっと待ってくださいよ。おかしいですよ。
先日、顔の小さなアザ切除が終わった患者さんに「7日後に抜糸に来てください」と言ったところ「その日は家族旅行に行っているので来院できません」と言います。私は非常に落胆しました。私は患者さんに少しでもキズアトが残らないように普通以上に時間をかけ最高の技術をつぎ込んで精密な手術を行いました。しかし、患者さん本人はキズもくっついていない抜糸前から旅行に行って遊び回るつもりです。これではキズもキレイに治るはずがありません。このことは、手術前に本人にも母親にもよく言ってあります。いくら医者が最善の手術をしても、本人の術後処置が悪ければ、手術結果はきれいになりません。
そこで私は、母親に電話をして「手術直後に旅行に行っているようではキレイになおりませんよ。安静にするように言ったでしょう。キズがどうなっても知りませんよ」と伝えました。母親は、すぐにわかってくれて「わかりました、旅行は止めます。キレイになおしてもらわないと困りますし」と、言います。旅行を止めてくれたことは良いのですが、私の落胆は深まりました。「この人たちは、大切な顔を、なおしてもらうものと考えている」ことを思い知らされました。
人間の顔は電気製品の故障とちがいます。修理してもらえばそれでよし、失敗したって交換してくれたら文句はない、ではないのです。医療における治療過程は、医者と患者の共同作業です。医者は最高の技術と経験を患者に注ぎます。患者も、できるだけ早くキレイに治るためには、指示や注意を守って治癒を待たなければいけません。医者と患者のどちらの努力が欠けても、最高の結果は得られません。こちらは最高の処置をしますが、患者の努力も非常に重要です。
あなたの顔は「医者になおしてもらう」ものではありません。ちゃんと通院する、日ごろから指示を守る、薬を続ける、処置後は安静にする、その努力がなければ、医者の力だけで「なおしてもらう」ことはできません。
(2025年10月 院長 葛西健一郎)

